令和3年度 JA熊本県女性大会

組織活動体験発表

つどい 歩みつづける女性部活動  孝富士 明代

私の住む玉名市横島町は、熊本県の北西部に位置し、南は有明海に面した干拓事業によってできた町です。干拓堤防は全長5.2㎞におよび、平成22年に旧玉名干拓施設として、国の重要文化財に指定されています。町内には他にもたくさんの史跡や文化財が残されています。

現在、JAたまな横島総合支所管内の正組合員数は830名、準組合員数は343名です。

農業経営は、米や丸トマト、ミニトマト、イチゴ、ナスなどの施設園芸が盛んです。担い手不足が深刻化している中、横島管内では後継者、新規就農者も多くとても活気があります。我が家も6年前から長男夫婦が就農し、現在は4人で米130a、施設園芸で丸トマトを50a作付けしています。

横島支部の女性部員数は、フレッシュミズも含め72名で、20代から80代まで幅広い年齢層で構成されています。私は4年間、JAたまな女性部横島支部長を務め、様々な活動や研修などに参加させていただく中で、他の地域でも会員数の減少など様々な課題がある事を知りました。そんな中、みんなが関心を持って楽しく参加できる事を考え、仲間づくりや自分磨きができる活動に取り組んでいるところに深く共感しました。

また、私は横島潟担い節保存会に加入しています。町で現在も伝えられている民謡に「横島潟担い節」があります。干拓工事で堤防を築く時に、潟土を堤防の上に積み上げていく作業で、作業者同士の息を合わせるために唄われた作業唄です。この唄に振り付けされた踊りの中で、私は女役の担いでいるかごに鍬で潟を入れる男役をしています。この潟担い節は、玉名の総会や県の家の光大会、老人施設の祭りや慰問に参加し披露していました。コロナが終息し、またたくさんの方に潟担い節で元気や笑顔になってもらえる時が来るよう願っています。

本年度の支部活動は、コロナ感染予防対策を徹底し、密にならないように少人数で班を作り活動しました。

まず紹介したいのは、調味料作りです。季節ごとにトマトケチャップ・めんつゆ・梨を使った焼肉のたれ・橙ポン酢を作りました。中でも部員の3分の2以上の参加があったトマトケチャップ作りは、毎年人気のある活動です。これら全て企画外の農作物を利用し、加工する事により美味しい調味料が出来ます。

次に、ミニトマト農家でフレッシュミズ部員の健康運動指導士のもと、体バーという用具を使って体操をしています。同じ体制で作業することが多い私達農家にとって、体のこりや緊張が和らぎ、心と体がリフレッシュできる貴重な時間です。

他にもマスクやエコバッグ・お薬手帳入れを使った手芸教室、12月には竹山の整備のため伐採される竹を使って正月用の「ミニ門松作り」、2月には、町を挙げて開催される「横島イチゴマラソン大会」に女性部・フレッシュミズの世代を交えてみんなで協力して行う出店は、充実した活動でした。しかし、残念ながらコロナの影響でここ2年中止となっておりますが、来年は開催され、楽しく協力して活動できるよう期待しています。

部長になった時から地域貢献をしたいと思っていましたが、コロナの影響で活動自粛をし、身動きが取れずにいた時でした。7月の熊本県南部の豪雨災害では、被災地へJAたまな女性部で古タオルの収集や募金活動の支援活動をする事になりました。横島支部に協力をお願いしたところ、他にも私達に協力出来る事はないかと部員から提案があり、話し合いをして「手作りマスクを作って被災地に送ろう」と決めました。布地は、少しでも元気を持って復旧作業ができるよう明るい色合いを選び、一つ一つ心を込めて作りました。ハウス内の片づけが一段落している時期でしたので、昼間の時間帯を利用して、延べ5日間で148枚のマスクが完成し、被災地に送る事が出来ました。

また、地域貢献として、今回初めて地元の横島小学校へも手作りマスクを送ろうという取り組みをしました。マスクの布は「コロナに負けないで元気で過ごして欲しい」という願いを込めて、子供から大人まで人気だったアニメ「鬼滅の刃」のキャラクター柄で作りました。今回も昼間の時間を使い、6日間で全校生徒数を超える250枚完成させ、寄贈する事が出来ました。子供達にも先生方にも好評で、とても喜んでもらえました。毎朝、子供達の登校の指導ボランティアをしている時に、私達の作ったマスクをつけて元気に登校している生徒さんを見かけた時はとてもうれしく思いました。

そして、令和2年度最後の活動として、「書き損じはがきの収集」を計画しました。トマトの作業中、ラジオからボランティア活動への協力の放送を耳にした時でした。助けが必要な人の役に立てる、そしてコロナ禍でも女性部が協力してできる活動ではないか?と思い、役員会で提案し活動する事となりました。部員を通じて地域の方々にも呼びかけ、2月~3月にJAの支所窓口と供給センターに手作りの箱を設置しました。結果、はがき461枚、切手95枚とたくさんの協力をいただき、ボランティア団体へ送りました。後日、団体から、物品は換金されて発展途上国の医療・衛生など様々な活動に役立たせるとお礼のはがきをいただきました。小さな事ではありますが、その行動で「誰かの役に立てた!」と嬉しく思い、このような地域貢献活動は今後も続けていきたいと思います。

マスク作り・はがき収集などの活動を通じ、改めて物事に取り組み、達成させるという女性部の団結力の強さを感じました。女性部活動も潟担い節保存会の活動も、先輩方の知恵や行動力を見習い、次世代へ繋げていきたいです。

今は、コロナ感染防止を常に考えて行動し、生活する事が大事です。女性部活動においても状況の変化に対応して、つどい、人と地域とのつながりを大切に楽しみながら活動の輪を広げ歩みつづけていきたいと思います。